関西電力への申し入れ(大飯原発関連)

東海ネットでは、2012年1月6日、関係者16名が参加して、大飯原発再稼働問題に関して名古屋市内にある関西電力東海支社へ申し入れを行いました。

以下、申し入れ書です。

2012年1月6日

関西電力株式会社
代表取締役社長 八木 誠 殿

  大飯原発を始めとする原発を再稼働しないよう求める申し入れ書

 私たちは、貴社が福井県若狭湾に保有する美浜原発、大飯原発、高浜原発の風下に住む住民です。これらの原発で万が一放射能放出事故が起これば、卓越する北西風により私たちの居住地や水源が汚染される可能性があります。そして、この可能性は、以下に述べるとおり決して軽視できるものではないため、これら原発を再稼働しないよう申し入れます。

貴社は、全国に先駆けて昨年10月28日大飯原発3号機、11月17日には同4号機、そして12 月21日に美浜原発3号機のストレステスト(耐性評価)一次評価書を国に提出しました。現在、原子力安全・保安院のいわゆるストレステストに係る意見聴取会 によってその審査が進められています。

しかしながら、この評価書は、“東京電力福島第一原子力発電所における事故を踏まえた” “安全性に関する総合評価”という正式名称とはほど遠いものと言わざるをえません。

まず、福島第一原発事故の原因究明はまだ道半ばであり、東京電力の事故調査委員会の報告も、政府の事故調査・検証委員会の報告書も、まだ「中間報告」です。

また、国会に設けられた事故調査委員会も、第一回目の会合を開いただけで、報告書がまとまるのは早くとも半年先というスケジュールになっています。

このような段階で、福島原発事故をふまえた総合的な安全性の検証ができるわけがありません。

保安院によると、ストレステスト評価書は1回限りのものではなく、今後も数次の改訂版が出されるものとのことですが、そうであれば最終版の審査が終わるまで原子力発電所の運転は見合わせてください。従来のような、稼働しながら安全性を検証するなどという愚行は、福島原発震災の後では許されません。

既に、津波による全電源喪失だけでなく、地震によって配管が破断し、過酷事故に至った可能性もあることが指摘されています。耐震設計上の計算では破断しないはずの配管が現実に破断したのであれば、その耐震解析そのものの信頼性が失われます。当然、ストレステストで得られた「基準地震動の何倍まで耐えられる」という結論も意味をなしえません。

また、今回の東北地方太平洋沖地震では、女川原発、東海第二原発、福島第一原発において、新耐震設計指針に基づき見直された基準地震動を上回る揺れが記録されました。これまでも、新指針による基準地震動の設定は甘すぎることが指摘されてきましたが、今回の地震もまたそれを裏付けたのです。貴社の大飯原発は、耐震バックチェックの結果引き上げた700ガルに対して、1.8倍の耐力があると一次評価書では報告していますが、そもそもこの基準地震動自体が低すぎる可能性があります。

実際、貴社の評価では、至近の活断層として海底のFO-B断層とFO-A断層の二つが連動して動くことを想定していますが、これだけでは不十分です。この両断層と陸側の熊川断層とが連動する可能性も専門家から指摘されています。そうなると同時に動く活断層の長さは35kmから60km以上と大幅に長くなり、想定すべき地震動も1.8倍を超え、限界耐力を上回る可能性があります。

津波高さに関しても、貴社の想定は最大2.85mであり、その4倍の11.4mまで耐えるとしていますが、元の想定自体が過小評価であることが何人もの専門家から指摘されています。1586年の天正大地震で若狭湾沿岸一帯が大津波に襲われたとする複数の文献があるにもかかわらず、わずか数本のボーリング調査の結果で、大きな津波被害はなかったと性急に否定したことは、安全を再優先する姿勢とは言えません。

さらに、経年劣化をすべて把握することは現実的に困難です。今回の評価でも、検知されていない亀裂、腐食、摩耗は考慮されず、疲労についてはすべて考慮の対象外とされています。これらが施設の耐震安全性を低下させることは、貴社も否定できないはずです。

以上のように、今回のストレステスト一次評価書を以て原子力発電所の耐震安全性を確認することは到底不可能です。

運転再開の手続きについては国が定めるものですが、貴社は原子力事業者として、その安全性に一義的な責任があります。

福島第一原発が引き起こした未曾有の大惨事を直視し、その教訓をよく学ぶとともに、原子力発電という極めて危険な施設を保有しているということを自覚してください。これまでのように楽観的な判断で、既知の危険性を割り切ったり、考慮から外すようなことはやめてください。

そして、少なくとも福島原発事故の原因が究明され、最も厳しい条件で定めた基準地震動に基づく耐震安全性が確認されるまでは、大飯原発を始めとする貴社の原発の再稼働を行わないよう求めます。

以上

提出団体:未来につなげる・東海ネット

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投稿日: 2012年1月10日 | カテゴリー: 調査・提言 | パーマリンク コメントする.

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