福島から5年:この原発事故にとって回復はまだズーッと先

Five years since Fukushima: Recovery is still far,far away for this nuclear disaster

By Daniel Barker ”Natural News*” 2016.3.12

http://www.naturalnews.com/053277_Fukushima_radiation_contamination.html#

要約 安藤直彦

東京から北数百kmの太平洋沿岸を襲った地震と津波による災害で15000 人以上が死亡し、福島第一原発の3つの原子炉のメルトダウンをもたらした福島原発事故から5周年を迎えた。この原発事故は2015年3月11日に続く数週間の国際ニュースのトップにあった。しかし、5年たっても進行中の除染作業はメディアの注意をほとんどひいていない。福島に関する実際のニュースの報道管制は、問題はいまやアンダーコントロールにあると一般大衆に思わせるようにしているが、真実は主要な問題について何も解決されておらず、損傷をうけた原子炉建屋の中に制御不能なままに燃えて高濃度の放射能をもつ溶融燃料棒の山が残っているのが事実である。

 

明確な解決策のないまま継続する危機

日本政府と東京電力は事態の深刻さを軽視するためにベストを尽くしてきたが、東電のスポークスマンでさえ、溶融核燃料の撤去をいつはじめられるのかはっきりした考えをもってないのみならず,どのようにしてやるのかについても正確には計画がない。燃料棒の完全な取り出しは数十年かかるというのが最も早い推定である。

Steve Featherstone は最近のこのサイトへのツアーを許可されたジャーナリストの小さなグループの一員だった。彼が「Popular Science誌**」上で発表した論文を引用する。

「福島第一のような原子炉は基本的に沸騰水型の複雑な装置である。燃料棒からの核分裂による熱は蒸気をつくり、それがタービンを回し、電気をつくる。蒸気は凝縮されて、燃料の過熱を防ぐためにポンプでもとに戻され、より多くの蒸気をつくる。もし、水の循環がストップすると、燃料棒が正常性を失うほどの高温となる。最悪のシナリオではそれらはろうそくのように溶融し、溶けた燃料は原子炉の中にたまり、大量の放射線を放出し続ける。

つまり、福島の三つの原子炉で何が起こったのかは明らかだ:津波は燃料棒を冷却し続ける水循環システムを破壊した。冷却システムが動かなくなったとき、簡単に燃料棒は溶け、そのとき以来、東電がやれたことは間に合わせの冷却システムを用いて原子炉の炉心に海水をポンプで注入しつづけることだけだった。

以前このプラントを運転し、現在この原子炉の解体と現場の除染に責任がある東京電力は多くの問題に直面する中で、この水は一度汚染されたらただ貯蔵するだけで除染はしない。このことは放射性海水を貯蔵するために設計された1000もの巨大タンクを現場に建設する結果となった。」

さらに、Featherastoneは「東電は永久にタンクを造り続けることは出来ず、大洋にこの水を排出することもできない。」と述べている。

 

更なる災害の可能性

しかし、それが最悪ではない。現場の廃炉責任者増田尚宏が「そこには巨大なリスクが含まれる。もし一つの小さなミスがあっても、それは地域の人もしくは世界中の人々に大きな問題の原因となる可能性がある。我々はその可能性を認識している。」と言っているように、この燃料棒の最終的な取り出しは非常に危険な作業となる。

さらに、増田は、「溶けた燃料棒を原子炉から安全に取り出す技術はこれまで存在さえしない」と認めていた。

 

上手くいったとしても除染は長期でかつ複雑なプロセスになる。

たとえ東電がさらにそしてより大規模に現場に於ける核災害を防止できる方法をみつけだすことができたとしても、大気中、土壌および海に漏れた放射能の莫大な量から長期にわたる健康影響、環境影響は完全に解決することは不可能である

 

5年経ってただ一つ確かなことは福島の原発災害は現在進行中であり、高度に危険な状況にあり最悪の事態はまだきていないかもしれない。

Steve Featherstone:現在の役職New York Times Magazine等、前職Scientific American, Popular Science Magazineなど

参考

*Natural News:活動家から転身した科学者のマイク・アダムス(健康レンジャー)率いる科学に基づいた自然健康擁護団体のウェブサイトニュース。http://www.naturalnews.com/

**Popular Science 誌:1887年に創刊された米国の月刊科学誌

引用記事全文 http://www.popsci.com/fukushima-five-years-later